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2008年 12月 03日
何という理由は特になくブログ更新休んでいましたが、旅日記の準備だけはしていたのですよ(笑)。 ということで、ニュージランドの次に訪れた二度目のカナダの旅の記録です。もう10年も前の話なのですが... -- 1998年7月23日(YHA Victoria / Victoria,BC,Canada) 話はいきなりカナダのバンクーバー国際空港に飛ぶのである。向かう先はブリティッシュコロンビア州の州都、ビクトリア。話としては少しややこしいのだが、ビクトリアのあるバンクーバー島に行くために、バンクーバー国際空港に到着したろころだなのだ。一応説明しておくとバンクーバーは北米西海岸の有名な街で、バンクーバー島は海峡を挟んだ対岸にある島。その島の南端にビクトリアの街があるのだ。 到着したカナディアン航空機から空港の建物に入ると、陽光がガラス張りの通路いっぱいに溢れていた。数年前はじめての旅でカナダに降り立ったのもこのバンクーバー国際空港だったのだが、その時は10月の終わりのもう冬になろうかという頃だった。季節の違いで雰囲気は随分異なるもので、別の空港にいるような気分だったが、自分の中のある感覚が、共通するものを既に見いだしていた。それはある「匂い」。イミグレーションを抜けて出たコンコースは、その匂いでいっぱいだった。どこかのカフェから流れてくる、シナモンの強い香り。そしてそれにはバニラやハニー、メープルシロップといった甘いものが少し焦げた時のような香りも含まれ、そのガラス張りの建物全体に溢れているのだ。そし刺激された嗅覚から、はじめて訪れた時のことをタイムスリップしたかのように鮮明に思い出していたのだった。−灰色の空から冷たい雨が落ち、言葉も通じず、誰も知っている人がいる筈がなく、とにかく不安で緊張しながらも、何かが確実に変わっていくことを感じていたあの時の感覚...それから数日後、パシフィックセントラル駅からニューヨークに向け大陸横断鉄道に乗り込むときに、友人Kに言った「I'll be back!」の言葉の通りに、確かにこの場所に帰ってきたのだ! そう思うと本当に嬉しく、甘い香りで溢れる空港ロビーを自由になった魚のようにいきいきと大股で歩きながら、乗り換え便の出発ゲートへと向かった。 ビクトリアへの飛行機は、思いの他小さなプロペラ機だった。20人も乗れば満席というような機体で、7〜8人という搭乗者を乗せ、ジョージア海峡の上へと舞い上がった。約30分後には、もうビクトリア国際空港へ到着していた。 空港というよりは駅舎と言ったほうがいいような小さな空港建物から、シャトルバスに乗り市街へ。市街地へは意外に離れていて、並走するオープンカーなどを見ているうちに、この島の豊かな緑がそのまま風になったような、エメラルドの光に満ちていることに気付いていた。南下を続けたシャトルが市街地に入ると、中心へと緩やかに下る坂から、穏やかな太平洋とその向こうにワシントン州(アメリカ)の雪を冠ったオリンピック山脈が見えた瞬間、完全にやられたと思ったのだった。 ビクトリアのユースホテルは、街の中心の便利な所にあり、割と大きなものだった。僕のベットがあるのは、「大部屋」という感じの部屋で、とにかく広いスペースに軽く50〜60人くらい(もっとだったかも)は泊まれるようだった。通りに面した壁には大きな窓があり、開け放たれたガラス戸から気持ちの良い風が吹き込んでいた。大部屋は昼ということもあり、荷物はあるが皆出掛けているようで誰もいなかった。 ダウンタウンをぬけ、エンプレスホテル前の埠頭へ。そこにはヨットが停泊していたり、大道芸人たちがパフォーマンスを繰り広げている、いかにも観光地らしい場所だった。こちらも楽しい気分になってくる。スタチュー(銅像の振りをして脅かすヤツ)やレゲエを歌うそのまんまボブ・マーリーのようなジャマイカン、タータンチェックのスカートを穿いたバグパイプ男(演奏は上手く、かっこ良かった)などを見て過ごす。 埠頭のすぐ横には石造りの州議事堂があり、見学ツアーもすぐに始まるところだったが、天気が良いので、外観だけ見てそのまま南海岸に向かって歩いていく。対岸のバンクーバーは大都会だが、州都はそんなに大きな街ではなく、州議事堂の直ぐそばまで緑豊かな住宅地になっているのどかな場所なのだった。世界でも有数の高さのトーテムポールがあるという公園を抜けると再び青い海が見えた。 海岸通りを歩いてちょっとした岬のようなところへ。海の向こうに雪を冠ったオリンピック山脈が見え本当に気持ちが良い。そしてその日はとにかく歩いた。国道のマイルゼロ地点、フィッシャーマンズワーフ、緑豊かな美しい住宅地... 海流のせいなのか、夏で晴れている日というのに、風はどちらかというと少し冷たく、久しぶりの一人旅ということで気分がハイなのか、脚がつる程に(実は本当につってしまった)いつまでも歩いていたい気分だった。 かなり遅い(緯度が高い上に夏時間のため)日没の後、歩き疲れダウンタウンに戻る。外食してもいいかと港沿いのレストランを覗くが、一人で入るのは気が引けるし、やはり貧乏旅は自炊だろうとユースのキッチンで済ませることにした。夜のすっかり暗くなった街には急に冷たい夜風が強く吹き荒れはじめ、そぞろ歩きの観光客も皆退散したようで、レストランの呼び子がさみしそうに風の中で佇んでいた。
by backpacker_f
| 2008-12-03 02:10
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