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2007年 11月 20日
旅の回想録、カリフォルニア紀行(2007年夏)続きです。
-- 2007年7月30日(Del Monte Beach Inn / Monteray, CA) 目を覚ますと、部屋は薄明るくなっていた。まだ起きてこない思考の中で(寝ぼけて)しばらくして「サンフランスシコにいるのだ」と思った。それ程に深く良く眠れたたのだ。いかにもサンフランシコらしい建物のアパートメントに、急に転がり込んで泊めてもらっているというのは、「人気ドラマのフルハウスのようでないか!」とも思った。そして昨日のバーチ&ファンとの楽しいドライブも、何だか夢の中の出来事のような気がするのだった。もう一眠りしたいと思ったが、今日は早くから出かけなけばならないことも思い出し、窓際のソファで外を眺めることにした。空には雲が低く垂れ込めていた。 ボブも7時には起きてきて、「コーヒーを飲みに行こう」と近くのドーナツ屋に誘ってくれた。中国系の人がやっている店で、客もほとんどがそっち系の人たちだった。店内には英語と中国語が混じって響き、カウンター席では老人が漢字だらけの新聞を読んでいた。 部屋に戻るとすぐに出発。ボブも朝から用事があるということで、一緒に出かける。ボブの彼女は「本当に短い滞在だったわね。次に来る時にはゆっくりしてね。来年の夏かしら?」と言ってくれた。彼女は中国系ということだが、見た目は日本人のような感じ(知っている人に似ている)で、とても親しみが持てる人だった。 ダウンタウンへ向かうバスの中で、ボブは「今度来るときは、宿はとらなくていいよ。うちに泊まれるから」と言ってくれた。来年JMTの続きを歩くかまだ決めていないが、嬉しい限りだ。「ところで、今日は仕事?」と訊くと、「ボランティアをやっていて、目の不自由な人に本や新聞を読んであげるのさ」と、事も無気に教えてくれた。週1回1〜2時間程度、もう10年もやっているらしい。動物園の仕事を辞め、今は警備員のバイト生活(多分)というのに、本当に頭が下がる思いだ。10分程乗ったところで先に降り、「それじゃまた、良い旅を。」と手を振り、街に消えていった。本当に恰好良いと思う。 バスターミナルに到着し、乗車券を買い、待合室で出発を待つ。ところが、時間になってもバスは来ない。まだ到着していないらしい。いつ到着するのかという案内もなく、とにかくここで待つしかないらしい。 1時間ほど経って、「これは相当遅れるのだろうな」思い外に出る。ターミナルの売店には、おいしそうなものは無かったので、向いの食堂でテイクアウトのタコスを注文する。少し時間がかかってしまい、少し焦って戻ったが、バスは来る気配すらなかったのだった。 待合室でタコスを頬張りながら、「IT最先端の街がこんなことでいいのだろうか?」と見回すが、乗客たちはあきらめたように静かに待っていたのだった。もし日本だったら、どうなっているのだろうか? あたりを見回しているうちに、一人の黒人の男と目が合う。「全然来そうも無いな。これがアメリカなんだぜ。」と男は笑いながら話しかけてくれた。続けて「この街は汚いから早く出たいんだ。サンタモニカに行ったことはあるか? クリーンでいい所だよ。俺の彼女も待っているし。ところで、お前どこまで行くんだ?」「モントレー」と答えると「行ったことないけど、そこはクリーンなのか?」訊かれてしまった。「海辺のクリーンな町だよ」答えると、男は右手の親指を立て、「イエーイ」と言った。その他に待合室にいる人たちで目立つのは、大きな旅行カバンを持った若者グループで、「せっかくの休みなのに...」といった感じで呆れている感じだったが、仲間とのお喋りは尽きないらしく、それほど退屈していないように見えた。 出発予定時刻から2時間半ほどして、ようやくバスが到着。ミスタークリーンやバケーショングループたちとともに乗り込み、「さあ行くぞ」と出発するが、ターミナルを出ないうちに停まってしまう。どうやら故障のようだ。何という事なのなのだろうか?! すぐに下ろされ、また待つ事になる。運転手は10分程で他の車に乗って再び現れる。「最初からそっちを使ってくれ...」と思いながら乗り込み、ようやく出発。「さっき停まってしまった場所で、また停まってしまうのではないか?」と気が気でなかったが、無事に通り過ぎ、一同安堵の溜め息をついたのだった。 3時間遅れのバスは、ガンガンに飛ばして遅れを取り返した...ということは全く無く、バスストップに停車しながら、坦々と南下していったのだった。 一応、順調にサンノゼ到着。昨日のバーチ&ファンとのドライブで訪れた場所に戻ってきた訳だ。すぐに出発するのかと思ったら休憩はしっかりとる。モントレーに着くのは、一体いつになるんだろうか? そして大事件(?)は、サンノゼ出発後に起こったのだった。ハイウェイに入り、いくつかのジャンクションを通り過ぎた後、車内が急に騒めく。運転手はその騒めきで、ようやく自分の間違いに気付いたらしく、一旦ハイウェイから降りて脇に車を寄せる。後ろから何人か運転席のところまで出て来て、「行き先が違う」と文句を言っている。運転手は素直に間違いを認め、Uターンし再びサンノゼのビルディングが建ち並ぶ方向に走り始める。バスの運転手が道を間違えることなんてあるのだろうか? 戻り始めた後も、乗客の一人が運転席の横で道案内をしていた。案内しているのは若い女性で「このあたりは詳しいから、私の言う通りに走って」と運転手に指示している。しかも、その女性から「このあたり、走った事がないのかしら?」と訊かれると「実はあまり自信がないんだ...」なんて言っているではないか! そんな頼りないドライバーに彼女は、「あなたはいいドライバーだわ。そんな落ち込まないで。」と励ましているというのも、目が点になる風景だった。女神のような彼女のおかげで、正しい路線に戻ることができると、車内からは拍手が起こる。いったいどうなっているんだ? 正しい路線には戻れたが、今度はハイウェイの渋滞にはまってしまう。こうなってくると「もうどうなってもいいや...」とさすがに呆れ、睡眠をとることにした。 目を覚ますと、バスはハイウェイを降り、緑豊かな町中を走っていた。モントレーの市街地に似ている気がして「おっ、到着したのか?」と思ったら、サンタクルスという町だった。だいたい、このバスはモントレーの手前のサリナスまでしか行かないのだ。サンタクルスは海辺のリゾートの町のようで、大きな荷物の学生グループはここで降りていった。 この後も運転手はしっかり休憩をとり、運行を続け、ゆっくりゆっくりと進んでゆく。 16時すぎ、ようやくサリナスに到着する。終点まで乗り続けるミスタークリーンは、「じゃあな」と手を振ってくれた。 ここから市バスに乗り換え、モントレーに向かう。随分寂れた感のある町を出ると、田園風景が広がる。スタインベックが小説のモデルにした風景だ。昨年訪れた時は夜だったので、まったく見えなかったが、そこにはトウモロコシや野菜の畑がどこまでも続いていた。 やがてモントレーのエリアに入ると、このあたりが随分砂っぽい地域ことがわかる。海岸線から砂丘が連なり、周辺の新興住宅地(?)もその中にできたという感じのところだった。しかもその一つは“サンドシティ”というバスストップなのだった。ここで暮らすのだとしたら、何もかも砂だらになってしまいそうだ。でもバスストップの前には巨大なショッピングマーケットが建っているのるのだった。 モントレー市街地に入ると、見覚えがある白い建物が見えたところで、僕はバスの停車を知らせる紐を引いた。見覚えのある白い建物とは、Del monte Beach Inn。去年泊まった宿だ。結局のところ、予約をとることはできていなかったが、「ダメもとでいいから」と思い、懐かしいドアを開けた。レセプションの奥からは懐かしいミスタークールが出て来てくれて、「去年泊まった者だけど、覚えている?」と訊くと、ミスタークールはちゃんと覚えていてくれた。「残念なんだけど、満室なんだよ。でも一応確認してみるよ。」と一旦オフィスに入る。少しすると「ラッキーだったね。留守電を確認したら、キャンセルが一部屋あったんだよ!」と驚きながら、戻ってきたのだった。今日のグレイハウンドは、どう考えても最悪であったが、ラッキーもどこかにあるものなのだ。またミスタークールの作る朝食を食べることができ、居心地の良い部屋で過ごせる! 部屋に荷物を置くと、モントレーの町へ向かう。このエリアに入ってからずっと曇ったままだが、少し湿度のある潮風がとても心地良かった。 この町の観光地と言っても限られているのだが、そのうちのひとつフィッシャーマンズワーフへ。たった一年経っただけなのに、随分寂れてしまっている気がした。天気のせいだろうか? でもそのちょと寂れた雰囲気が、落ち着かせてくれるような気がした。 寂れ気味であっても、フィッシャーマンズワーフのレストランはそれなりに値段も高く、いかにも観光客狙いな店ばかりなので、ダウンタウンのほうへ移動。見つけたブリティッシュパブに入り“夕食兼飲み”とした。 ほろ酔い気分で、もう一度フィッシャーマンズワーフに行ったり、町をうろうろして宿に戻。他のお客さんは部屋で過ごしているようで、ロビーには誰もいなかった。フリーの紅茶を入れ、ソファで静かにCNNのニュースを見た。部屋に戻り、旅の記録をつけようとするが、今日の長い移動やJMTの疲れもあって、あっと言う間に眠りにおちていった。
by backpacker_f
| 2007-11-20 00:36
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