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2007年 09月 04日
旅の回想録、カリフォルニア紀行(2007年夏)続きです。JMT Fourth Dayとは、ジョン・ミューア・トレイルを昨年から数えてという意味です。
-- 2007年7月25日(Lyelle Lake / Yosemite National Park, CA) 「反省を生かさないから、未だにひとりなんだよ。」という沖田浩之の言葉(映画「私をスキーに連れって」の台詞)が頭の中で繰り返される、そんなJMTの初日なのだった。故沖田さん、確かに彼女はいない。普通に昨年の反省を活かせば、こんな失敗はしなかったのだ。 僕のバックパックは必要以上に重く、歩き続けるうちに肩に食い込みバンランスもとられ、歩くのは苦痛でしかなかった。それなりに減らしたつもりでいたが、出発直前になって「これも入れておいたほうがいい」とか、「サンフランシコの街を歩くのに、山の恰好はないだろう」と余計な服を入れてしまったことなどが響いた。また、食料も4日分+予備で十分なのに、ついつい買い過ぎてしまった。他にも、サブパックまで持って来てしまったというのも大きな失敗だった。しかも大きめでバックパックにしまえるようなものではなく、前に掛けたりして歩いていたのだが、邪魔なだけなので、結局のところバックパックに縛りつけることにした。すると全体のさらにバランスが悪くなり、一歩進む毎に荷物全体が大きく揺れ、とても歩けたものではなかった。でも歩くしかない。 あと不要だったものと言えば、一眼レフカメラだった。今やデジカメだけで十分なのに、いつも旅に持って行っていることもあり、つい持ってきてしまった。しかもボディの他に標準・ズーム・魚眼レンズ+フィルムで結構な重さと大きさを占めてしまっていた。 後になってわかることだが、防寒着関係も不要だった。昨年はハイカントリーに入ると夜かなり冷え込み、着込んでシュラフに入っても震えながら眠るほどだったのに、今年は全く寒い感じなかった。シュラフを買い替えたのが良かったのかも知れないが、それよりも温暖化が進んでいるということなのだと思う。 また、自分の悪い事は全て忘れてしまうという、お気楽な性格も影響しているといえる。去年も荷物が重くて苦労したが、そんなことは一年もたつとすっかり忘れてしまう性分なのだ。そういった訳で、今回は「辛かった...」としか言えないのである。それもまたすぐに忘れてしまうのかも知れないが... -- Tuolumneの朝、思ったより寒くなかったと思いながら、ゆっくりと朝食をとり、紅茶を飲みながらテントの撤収にかかる。隣りに泊まっていた長身美人たちは早起きな上に、素晴らしい手際の良さで荷を片付け、「それじゃあ、気をつけて」と、あっという間に去ってしまった。こちらは久しぶりのキャンプということで片付けに手間取り、出発は10時近くになってしまった。今日はたくさん歩かなければならないというのに、ひどいスローペースなのだった。 キャンプサイトからライエル川沿いに続いているトレイルを行けば、JMT(ジョン・ミューア・トレイル)に合流するのであるが、「せっかくなので正規ルートを歩こう」とTuolmne Lodgeの方へ回り道することにする。何となくお気に入りのLembert Domeに挨拶して出発したかのだ。 ![]() ![]() Lembert Dome横のメドウを通り抜けていくと、Tuolemne Lodgeに出る。ホテルがあるのかと思っていたら、どうやらコテージが集まったところのようだ。時間もないし荷物も重いのので、通り過ぎるだけにして先を急ぐ。 ライエル川を渡る橋のところで、すぐに重い荷物に疲れてしまい休むことに。大きな岩がプールのような溜まりをいくつもつくっているところで、とても気持ちの良い場所だった。先に休憩していたロサンゼルスからのトレッカーカップルと話す。彼らはTuolmneを拠点に、何日も日帰りハイクを楽しんでいると言っていた。そして彼らの荷物はとても小さかった。「スナックと水しか入っていないよ」と、これからTuolumne passやいくつかの湖を訪れるという彼らは、トレイルへ軽快に消えていった。 ![]() 僕はといえば、そのあたりで自分の荷物が重過ぎるという大問題に気付いていた。それと足の爪が痛くなっているのもかなり気になっていた。実は右足の親指をいつだか打つけてしまっていて、内出血して爪が剥がれ気味に浮いているのだが、まだ外れるというわけでもなく、(普段は大丈夫なのだが)少し圧迫されただけでかなり痛みが走るのだった。なので、せっかく素晴らしいトレイルを歩いても、風景を堪能できる状態ではなかった。(それでは紀行文にならないので写真を見ながら書いています。)実際、ライエルリバーに沿った美しいメドウがどこまでも続き、とり囲むような針葉樹林帯があり、その上にハイシエラの山々が連なるというなかなか感動的な風景が展開されているのだが、僕といえば重過ぎて肩に食い込む荷物に苦しみ、重心を持っていかれそうになり、ちょっとしたことで爪が悲鳴を上げるという悲惨な山行となっているのであった。しかもこの状態が4日も続くと思うと、「あの荷物は要らなかった」とか「食料を買い過ぎた...」とか後ろ向きなことばかり考え、とてもシエラの自然を楽しむためにやってきたとは思えないのだった。 1時間おきくらいに休憩をとりながら、ゆっくりと上がっていく。メドウにはそこらじゅうで夏の花々が咲いていて、「荷物が少なかったら、どれだけ感動できただろうか?」と思う。 ![]() ![]() ![]() 午後3時過ぎ、メドウから少し森に入ったトレイルの分岐点で、上から降りて来たトレッカーに会う。よく見ると先程橋の上で会ったばかりの二人なのであった。彼らは「上の湖は素晴らしかったよ。荷物重そうだけれど、気をつけて。」と優しい言葉と笑顔を残し、またしても軽快にトレイルに消えて行った。 ライエルリバーのメドウが終わると、今度はスイッチバックしながらの上りとなる。僕はすぐにバテて、少し上がったばかりのところで休んでいると、別のトレッカー二人組が上がってきた。彼らはカリフォルニア出身だが、現在は上智大学の学生で四谷に住んでいるという人カップルだった。僕が東京から来ている事を知ると「凄い!スモールワールド!」とか「ベリーストレンジ!」と連発したのだった。彼らの名はジョシアとモニカだと自己紹介してくれた。「今日はどこでキャンプするの?」と尋ねてみると、「ドノビューパスの手前の小さな湖まで行きたい」と言った。実は僕は「もう限界」と思っていたのだが、彼らがそこまで行くのなら、もう少しがんばってみようと思った。しかしながら、僕はまだ休憩が足りないので、ジョシア達が先にスイッチバックへと消えていった。 ![]() ![]() ![]() スイッチバックを上りきると、歩いてきたライエルバレーの雄大なメドウが見下ろせるようになる。とても辛かったが、よくここまで来たと思う。再び森に入り川の水音を聴きながら歩いて行くと、ジョシア達がテント設営しているのが見えた。どうやら湖はあきらめここで宿営するらしい。「Hiroもここでキャンプしないか?」とジョシアが言ってくれたが、もう少し行けそう(行かないと明日以降がかなり大変になる...)な気がしたので、もう少し上を目指すことにした。 ![]() ![]() 日が沈み、残照が高い山に僅かに残る頃、ようやく湖に到着することができた。ライエルバレーは見下ろせなくなり、その代わりにドノビューパスの雪を冠ったピークが、僅かに残った陽に輝いていた。ここは正にキャンプ適地で、数グループがテントを張り、夕食の後の時間を、ゆったりと寛いでいるようだった。僕もそうしたいところだが、暗くなってしまう前にと、急いでテントを張り、水を汲みに行き、夕食の支度をする。そして食事にありつけたのは、空が星で一杯になった頃だった。今夜も「お湯を入れるだけ」シリーズでインドカレーというのを選んだが、期待したほどおいしいものではなかった。「何でもおいしく食べる」を家訓(?)にしている自分なのであるが、半分ほどしか食べられなかった。残りはベアキャニスターにしまい、レンジャーから言われたとおりテントから離れたところに置き、テントに入ったのだった。外は小さな湖に山と空と月と一緒に映り、素晴らしい光景を見せていた。 ![]() 記録をつけたり、持って来た本(これも余計!)を読みたいところだったが、ひどく疲れている上に、標高のせいか頭も痛く、何もできずとにかくシュラフに包まった。 夜中に何か物音がしているような気がして起き、外を見てみるが、何も見当たらなかった。何か蠢くものがカサカサと草原を移動しているようで、何か判らず不安だったが、疲れのほうがすぐに勝り、再び眠りの世界へと引き摺り込まれていった。頭痛はまだ続いているような気がした。 ■
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by backpacker_f
| 2007-09-04 06:01
| BACKPACK
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