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2006年 11月 05日
旅の回想録、カナダ、カリフォルニアと書き綴ってきましたが、段々とお調子にのってきましたので、図に乗って2回目のバックパック旅となったニュージーランド紀行(1997年)をたらたらと書いていきたいと思います。
-- 1997年3月4日(? Hostel / Sydney) 初めてのバックパック旅行の興奮もまだ冷めない数ヶ月後、僕は次の旅の航空券を手にしていた。行く先はニュージーランド。南半球を訪れる事は、子供の頃からの憧れだったのだ。 直行便よりも安く行けるカンタス航空(オーストラリア)を選んだので、往復ともシドニー経由となる。寄り道で時間の損なのだが、お金がある訳ではないし、節約第一なのである。 今にも雪が降りそうな冷たい雲に覆われた成田空港を飛び立ち、機はひたすら南を目指す。途中、窓側の席から太平洋上を見おろすと、硫黄島が見えた。4時間後、赤道とクロスして憧れの南半球へ。「…本機はただいま赤道上空を飛行しております。これを記念いたしまして、乗客の皆様にはシャンパンのサービスをいたします…」などといった機内アナウンスがあるということは全く無くて(あるわけ無いだろ!)、ディスプレイに表示された「外の気温 マイナス30度」というのを見て、赤道でも上空は随分寒いものなのだとあらためて感心したりしていた。 オーストラリア大陸の上空にさしかかる頃には、随分暗くなっていて、漆黒の大地のところどころに町の灯りが瞬いているのが見えた。遥か下で静かに息づく町の灯を見おろしていると、ふいにジム・ジャームッシュ監督の映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」を思い出した。ロス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの同じ日の夜に繰り広げられるストーリーを綴ったオムニバス映画で、とても好きな作品のひとつだ。オーストラリアとは何の関係もないのだけれど。 シドニーには夜9時過ぎ到着。着いたはいいが、ニュージーランド・オークランドへの便は、明日の午前なので、一泊しなければならない。空港にずっといてもいいのかも知れないが、せっかくなので街まで行ってみることにする。 空港内によくあるホテルへの直通電話に、僕が泊まるようなドミトリーのホステルもいくつかあって、そのひとつに連絡してみると、ベッドの空きはあるということだった。シャトルバスに乗るために空港の建物を出ると、あたりは夏の夜らしく湿度のある生ぬるい空気が漂っていて、季節が日本とは反対の南半球に訪れたのだということをようやく実感したのだった。 シャトルバスはほとんど満席で出発し、30分もしないうちにシドニー市街に入る。停車して行く順番というか序列というのは決まっているようで、宿代の高いところからということになっているらしい。つまりバックパッカーの僕は序列でいうと最後なので、街をぐるぐると回りながらずっとバスに乗っていることになる。夜の街を観光しているような気分で、明るく華やかな街並やハーバーブリッジやオペラシアターなどの有名なスポットも車窓から見る事ができてちょっと得した気分だった。 もう翌日になるかといった頃、ようやく小さなホステルの前で降ろされる。チェックインを済ませ、ドミトリー部屋に行くと他の宿泊者たちはどこかに出かけているようで誰もいなかった。窓辺ではエアコン代わりに旋風機が回っていた。長い飛行時間と季節が真冬から真夏にいきなり変わってしまったのでどうも発汗がおかしく、とにかくシャワー浴びたいと思った。 シャワーで汗を流し戻ると、同室の宿泊者のうち二人(カップル)が戻ってきていて、挨拶するとイギリスからというだった。大学で専攻している地質学の研究を兼ねてオーストラリアを訪れているのだと言っていた。偶然なことに僕も大学では地質学を学んでいたのだ。(残念ながらそれは後の生活にあまり役立てていないのだが…) とにかく遅いし、消灯時刻も過ぎているので眠ることにする。ベットに近い窓からは小さく聴こえてくる街の喧噪と異国の夏の夜風が入ってきていた。こうしてまた旅がはじまったのだ。 -- シドニーで泊まったホステルの名前は、いろいろと調べてみたのですが結局わかりませんでした。たしかハイドパークという公園の近くで、緑色の外観だったようなのですが... もし、ご存知の方いらっしゃいましたら教えて下さい。 あと今日は写真がまったく無いので、映画の紹介。 ジム・シャームッシュ監督作「ナイト・オン・ザ・プラネット」 原題は「Night on Earth」、1991年の作品です。世界5つの都市の夜を舞台にしているのですが、共通するのは全てタクシーの中での出来事となっています。登場するのは、ロスではハリウッドスターになるよう誘われる男勝りの女性ドライバー、ニューヨークでは東欧からの移民で運転もろくに出来ない元ピエロ男、パリでは盲目の女性に道案内されるアフリカ系ドライバー、ローマでは夜中に真っ黒いサングラスをして一方通行を逆走しお客も無視して話もひたすら暴走し続ける危ないドライバー、ヘルシンキでは酔っぱらい客を説教するドライバー... 運転手と乗客という偶然乗り合わせた同士が織りなすひとときの交流が、なぜが心にしみる一本です。
by backpacker_f
| 2006-11-05 16:08
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