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2008年 06月 06日
N.Z.旅(1997年)の回想録、ようやく最終回です。
-- 1997年3月15日(QF??? / Sydney - Tokyo) 夜が明けると、昨夜の異様な喧噪は嘘のように消え、気持ちの良い秋の一日がはじまったのだった。広場まで行き、露店のホットドックで朝食。その後スーベニールショップでN.Z.みやげを選んだ。店員の浅黒い肌の健康的な女性は、割引してくれた上に、キーホルダーまでつけてくれた。 公衆電話で日本に連絡。時差があまり無いので、外国からという感じはあまりしながった。ホテルに戻り、チェックアウト。カウンターの親指男は、相変らず親指を立て笑顔で「Good Luck!」と見送ってくれた。 シャトルバスで空港へ。窓から入ってくる風は気持ち良く、木々の豊かなNZの街並から漏れる木漏れ日は、鈴木英人さんのイラストのような光のシェイプの形をして通り過ぎて行った。 空港に到着し、チェックインを済ませる。一旦空港の建物から出て、南極博物館に向かう。駐車場を横断するとその建物はすぐに見つかったのだった。ニュージーランドは、南極に近い(といっても遥か彼方、南極圏さえかなり向こうなのだ。)ことから、昔から南極探検の基地になっているのだそうだ。 博物館は小さいながらも展示が充実していて、なかなか興味深いものだった。南極ももちろんいつか訪れてみたい場所のひとつだ。実際行くのはなかなか大変そうだけれど... 帰りもカンタス航空なので、シドニー経由。尾翼にカンガルーマークのついた機体は離陸すると、一気に雲の上に出たのだった。機内の画面では、マウントクックの上空を飛行するように出ていたが、残念ながらその4000メートル峰さえも雲の下になってしまい、白い雲海だけが窓の下に広がっていた。 僕の隣り席は、片側がニュージーランド人の男性で、これからオーストラリアの友人のところに訪れると言っていた。彼が自分のことをニュージーランド人と説明するのに「I'm Kiwi.」と言っていたのが印象的だった。果物の方か鳥の方か(その両方?)わからないが、自然に親しむN.Z.らしいと思った。通路を挟んだ席に座っていた日本人はT君という人で、数日前にフランツジョセフグレイシャービレッジからクィーンズタウンまでのバスで一緒だった日本人のひとりだったので、お互いに驚いたのだった。T君はワーキングホリデーでオーストラリアで働き、N.Z.には貯めたお金で来たのだと言っていた。彼のワーホリ期間も間もなく終わりで、暮らしていたアデレードに一度寄ってから日本に帰ると言っていた。そこでの生活をとても気に入っていて、「いい街なので、いつか訪れて下さい。」と薦めてくれたのだった。空の上のビールの酔いも少しあって、バスの中ではあまり話さなかったのに、なぜか互いにオープンになって、旅のことなどをとりとめもなく話をした。そんな話をしながら、このN.Z.旅が僕にとっても、彼にとっても、途中で出会った多くの旅人も、それぞれにある種の卒業旅行をしていたのかも知れないなと思った。 タスマン海を越えシドニー着くと、もう夕刻になっていた。(N.Z.とオーストラリアは意外に距離があるのだ。) 帰国の便まで時間はかなりあるが、街まで行くには短いという時間だったので、空港でゆっくり過ごす。ロビーは広く充実していて、オーストラリア土産の店やアボリジニアートのショップなどを覗いたりして過ごした。その中でもアボリジニのアートは本当に美しいなと思い、ポストカードやTシャツなど行ってもいないのにいくつかお土産に買ってしまったのだった。 一通り見終わると、さすがに暇になる。夜行便なので出発は遅いのだ。ロビー隅の空いたソファー席を見つけ、鞄の奥にしまっていた単行本、サン・テグ・ジュペリの「夜間飛行」を開く。特にストーリーがあるわけではない詩のような宝石のような一節一節を目にしながら、一足先に夜間飛行の旅人となっていった。空港の大きなガラス窓には、次々に離発着する機体の灯が星のように瞬いていた。 -- 時間かかりましたが、ようやくN.Z.旅の回想終わりました。お読みいただきました方ありがとうございました。次はどの旅のことを書こうかと考えているのですが、何にせよもう少し早く進むように工夫しなければと思っております...
by backpacker_f
| 2008-06-06 01:46
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